「日本は子殺し天国で対策をしていない」医師が出した新聞広告から始まった特別養子縁組 3人の子ども迎え入れた夫婦は「託された責任感は重かったが今は普通の家族」【前編】
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- Опубликовано: 2 ноя 2024
- 子どもの福祉制度の1つ「特別養子縁組」は、1988年に運用が始まったものです。子どもを望む夫婦が、事情を抱えた親の元から子どもを迎え入れ我が子として育てていくものです。この制度の創設に深く関わったのが、宮城県石巻市の一人の開業医でした。制度の今と創設に込められた思いとは。特別養子縁組で家族に仙台市内に住む佐々木さん家族です。夫の健二さんと妻の啓子さんは、長男、長女、次女の3人の子どもを迎え入れ、特別養子縁組で家族になりました。上のお姉さんは、小学5年生です。佐々木さんの長女:
「(Q 学校では何が流行っていますか?)うーん…、何だろう、SnowMan」妹さんは、工作が大好きな小学2年生です。佐々木さんの次女:
「剣つくったの(Q 自分で作ったの?)うん」
父・健二さん:
「背中に背負っているのは何?」
次女:
「炭治郎の箱」
母・啓子さん:
「後ろから禰豆子が出てくるの?」
次女:
「え、いないよー」3人の子どもがまだ赤ちゃんの時、東京にある養子縁組の支援団体を通じて迎え入れました。最初は不安の方が大きかったと妻の啓子さんは振り返ります。生い立ちを伝える「真実告知」佐々木啓子さん:
「でも、子どもの顔を見たらしっかり、家族になっていこうねという気持ちが湧いてきて、あとは一生懸命(育児に)必死な生活。その子を軸にした生活になっていくので」子どもたちには、幼いころから「産みの母親」がほかにいることを伝えてきました。佐々木啓子さん:
「お迎えに行ったよという話もするよね。前は、生まれてきてくれてありがとうって、みんなで迎えにいったんだよって話もたまにしたりします」生い立ちを伝えることは、「真実告知」と呼ばれています。ただ、告知というほど大げさなものではなく、迎えたその日からありのままを伝え続けることが好ましいといわれています。夫・健二さん:
「小さい頃からいっぱい話しているので、この年代でわざわざお話しなくてもお母さんはもう一人いるってわかっているし、早めに妻が子どもたちに話していたのは良かったなと思う。産んだお母さんからするとできることなら育てたかったと思うが、託された責任感は当時は重いものがあったが、今は普通の家族なので。楽しいなというのが先かな、今は」たどり着いた特別養子縁組啓子さんは普段、公園で地域の子どもたちに遊び場を提供する活動をしています。もともと子どもが大好きでしたが、不妊治療の末、赤ちゃんを授かることは難しいとわかりました。悩んだ末、たどり着いたのが特別養子縁組でした。佐々木啓子さん:
「自分が産みたいのか、血が繋がらなくても家族をつくりたいのか、というのがあって、自分は子どもを育てるというのもあきらめきれなくて、違う道がないのかなと探したところ、特別養子縁組を知った。こうやって私たちは何の心配もなく親子で生きていけるので、大切な制度をつくってくれたと思っています」年間500組前後が成立していると言われる日本の「特別養子縁組」。普通養子縁組と異なるのは、裁判所での審理を経て「養子」ではなく戸籍上も「実の子ども」となる点です。実の親子関係は生涯に渡って続く一方、元の親との関係は解消されます。元の家庭では、経済的事情や未成年での出産といった育児が難しい環境にあることが多く、この制度は、子どもが生涯にわたり安定した家庭を得ることができるとして、国が普及に力を入れています。実はこの制度、今から50年前、石巻市から創設の動きが始まりました。養子縁組を呼びかける新聞広告きっかけを作ったのは、市内で産婦人科医院を開業していた菊田昇医師。1973年に出した「ある新聞広告」が制度創設につながりました。「生まれたばかりの男の赤ちゃんを我が子として育てる方を求む」養子縁組を呼びかける異例の広告でした。菊田昇医師(1977年取材):
「日本は非常に子殺し天国で対策をしていない。新しい養子制度をつくらないといけない」産婦人科の医師で養子縁組をあっせんする認定NPOの理事・星野寛美さんは、今から40年前、菊田医師を支える市民活動に参加していました。認定NPO「環の会」理事 星野寛美さん:
「子どもの命を救うためには、養子縁組をして実の子として戸籍に入れるように実子特例法が必要だとすごいパワーで話していたのを印象深く覚えている」小さな新聞広告が、やがて国会を巻き込んだ議論を呼び起こし、「特別養子縁組制度」の創設に繋がっていきます。ただ、その代償として菊田医師は「医業停止」という行政処分を受けることになるのです。いったい当時、何が起きていたのでしょうか。
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